うすくち龍野醤油資料館
- 2023/01/04
- 22:05

うすくち龍野醤油資料館。

醤油のまち、兵庫県のたつの市にある

1979年(昭和54年)開館の全国初の醤油資料館。
たつの市は、瀬戸内海に面し南北に揖保川が流れる自然豊かな山紫水明の地。
播磨平野で育った良質な小麦、米、山裾でとれる大豆、赤穂の塩、これらの豊かな原料に恵まれ、鉄分の少ない軟水である揖保川の伏流水と相まって淡口醤油はこの地で生まれた。

普段は、入館料10円が必要だが、この日はイベントがあったため無料。
ご縁の重なる重縁、払いたかったな。

醤油の起源は古代まで遡ることができるが、産業として龍野、野田、銚子、小豆島などに成立したのは16世紀のこと。

龍野出身・三木露風の詩。

宮中から賜った「菊屋」の号と菊花の御紋。
博物館の建物は、菊一醤油本社社屋として建てられた後、ヒガシマル醤油の先代本社として使用されたという歴史を持つ近代建築である。
平成19年度の兵庫県の景観形成重要建造物に指定されている。

天正年間(1580年頃)、円尾孫右衛門長村、横山五郎兵衛宗信、片岡治兵衛らによって始められた龍野醤油は、うすくちを特色として栄えてきた。

徳利。
江戸時代から戦前までの、醤油作りに使われた道具類を展示して、当時の醤油造りの作業工程を紹介する。

菊一醤油。

黒ずんだ年季のはいった看板。
順路に従って進む。
井戸地下水と地釜。

龍野を流れる伊保川の水は、全国まれにみる鉄分の少ない軟水で、この良質の水が色の淡い、味の良い、しかも香りの高い淡口醬油を造る上でかかせない。
これが、龍野地方が淡口醤油の銘醸地となった理由のひとつでもある。
原料処理場。
薄口醤油の原料は、大豆、小麦、米、塩とシンプル。
麹菌が繁殖しやすいように、大豆を炊き、小麦を炒り、米を蒸して甘酒にする。
淡口醤油の大きな特色は、米を使うこと。

樽洗場。

麦炒場(むぎいりば)。

麦炒機。
麦炒りとは、麦をひき割りやすくすると同時に、でんぷんを麹菌が消化しやすいように変化させること。
淡口醤油では、炒る程度をいく分弱くして、色が淡くなるようにしている。

麦炒釜。
道具陳列室。

左側には

樽などが

右側には、渡し船゛浅井丸゛が飾ってある。
ヒガシマル醤油の前身、浅井醤油合名会社の専用の渡し船。

ポスターなど。

宝塚歌劇の協賛もしていたんだ。
醤油試験室。

しょうゆの種類と特長。

濃口しょうゆ、淡口しょうゆ、溜りしょうゆ、再仕込しょうゆ、白しょうゆ。
醤油のおいしさ。

色・味・香りの3要素。
ガス分解台。

フラスコ。


大豆、小麦、塩などのサンプル。

組合資料室。

この部屋は元役員室のようだ。

本場龍野 うすくち醤油

よくある歴代の役員の写真額。

御用醤油製造所。
鬼瓦。
上の額は、1920年(大正9年)当時の現ヒガシマル醬油工場付近鳥瞰図。
麹室(こうじむろ)。

混ぜあわせた大豆、小麦に種麹を植え付け麹蓋と呼ぶ浅い木箱に盛り、この煉瓦室の中で麹カビを育成させ、醤油麹を作る。
麹作りの目的は原料のたんぱく質やでんぷん質を分解する酵素を作ること。

麹室内部。

麹室の構造
藁室、土蔵室、煉瓦室などがあるが、龍野地方では煉瓦室が多く、もみがらを保温材として使用していた。
室の出入口、窓は二重になっており、天井には温度調整の天窓も設けられていた。
仕込蔵(しこみぐら)。

麹と塩水を混合して、桶に入れる作業を仕込みといい、エアコンディショニングのなかった昔は1年もかけて発酵熟成を待った。
この期間のものが諸味だ。

三十石大桶の底。

合図太鼓。


柄杓、桶など。
樽栓蝋解器。

蝋を解かし樽の栓につめ、洩れないようにする道具。

水圧機。

圧搾場(あっさくじょう)。

ここは熟成した諸味をしぼるところ。
淡口醤油では、その特色のひとつである甘酒を加えた後しぼる。

小型圧搾槽。

棒締式圧搾機。
てこの原理を応用


垽桶。

しぼった醤油の中の垽(沈殿物)を分離するための桶。

細い廊下を通る。
右側に中庭

神社が見える。
昔の中小企業は、このようにして自社敷地内に神社をもっているところも多かった。

左側は資料室。


定

1、現金賣励行
1,御買上品ハ
1、容器回収
1、贈呈品廃止
帳場(ちょうば)。

主に番頭さんが帳面をつけたりお金の支払いをしていたところ。

ここは明治時代の醤油蔵の帳場を再現しており、当時の帳面、机、本箱、そろばんなどとりそろえてある。


うすくち龍野醤油資料館HPより
山と川に抱かれたこの美しい人里に、代々醤油をつくり継いできた先人の工夫や愛情は、古い道具や文書にひっそりと息づいています。
片岡家創業なる菊一醤油造合資会社の本社として建てられ、浅井醤油合名会社との合併後、龍野醤油(株)となり、のちヒガシマル醤油(株)と改称した後も本社であったこの建物に、同社のみならず、ひろく龍野醤油協同組合各社の保管になる資料を中心に展示して、醤油のふるさとを偲ぶよすがといたしました。
たつののお土産。

和生菓子 しょう油饅頭。

赤穂の塩まんじゅうに龍野の醤油まんじゅう。
播州人は、幸せやな。
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